昔、私の父は、椎茸の栽培で生計をたてておりました。
昭和30年代は、椎茸というのは干し椎茸として流通するだけのもので、今日のようにスーパーで見かける生の椎茸はなかったそうです。
その栽培もサバイバルさながら、人里離れた高木の生い茂った湿気の多い山奥に、ボタ技と言うクヌギの木にコマ(種菌)を打ち込んだ2メートル程の丸太を×に組み、後は自然にゆだねて椎茸の育つのを待つだけと言う自然栽培で、ある意味天然物。
当時、貴重品だった干し椎茸の上物などは、なんと松茸よりも高値で取引されていたそうです。
その上物と言うのが、冬の寒さの中で育った「天白ドンコ」なのです。
肉厚で丸みを帯び、表面には白い亀裂が入っているのが特徴です。
寒さのあまり表面の成長が止まっているところへ内側から突き上げる様に太ってくるのでたまりかねた表面の組織に亀裂が入り白く見えることから「天白」と表されるそうです。
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